adabanaxyzのブログ

おすすめの音楽を紹介します。

#1くるり 街

ブログの更新をせずに随分と月日が流れてしまいました。結構さぼってしまいましたね。ブログは挫折する人が多いとよく聞ききましたが、今なら挫折した人の気持ちがわかる気がします。(笑)

 

そんなことはさておき、今回は何んとなーくこの曲。くるり「街」という曲を紹介します。

 

 

この曲を知ったきっかけは、スピッツ草野マサムネさんがTOKYO FMでパーソナリティを務めている「ロック大陸漫遊記」という番組でした。

この時は「99年ロック最盛期の曲で漫遊する」というのがテーマでした。このテーマに沿う形で、くるり「街」が流れたのです。

くるりと言ったらスーパーカー*1ナンバーガール*2、などと並んで「97(の)世代」なんて呼ばれていたらしい*3ですから、このテーマで紹介されるのも必然だったでしょう。それにミッシェルガンエレファント*4を加えてもいいかと個人的には思います。

 

話を戻しましょうか。くるりっていうバンドはメンバーが結構目まぐるしく変わっているんです。しかも音楽性もそのたびに変化していくから、時期によってファンの好き嫌いがあったりなかったりするわけです。そして今回取り上げる「街」は個人的な感覚ですが、くるりが一番ロックンロールをやっていた時期に発表された曲だと思います。

話が長くなるのでさっそく本題に行きましょう。

くるり「街」もっと評価されていいのでは?

曲冒頭、「この街は僕のもの」という印象的なフレーズが、岸田繁氏によってまるで雄たけびのごとく歌い上げられています。当初のコンセプトはハードコア歌謡だったそうですが、結果的にロックバラードに仕上がったということです。この曲がいきなりラジオから流れてきたとき、たまげたものでした。出だしからやられたというか、かなりセンチメンタルな印象を受けました。しかしAメロに入るとなんとも言えない気怠さや、切なさが増してくるのです。それから小サビの「飛びだして お願い微笑んで」という歌詞では何かに解き放たれたような感覚に陥ります。そんな不思議な曲でした。この曲を書いた岸田繁氏本人はリリース当時「めっちゃ売れる!」って思ったらしいです。しかし結果は真逆であり、過去最低の売り上げ枚数だったという...。個人的にはめちゃくちゃ好きな曲なので、時代が合わなかったのだと思いたいものです。(笑)

いい曲は10年後に評価されるとよく言うものなので、この曲もそういう部類なのかなと勝手に思っています。現に草野さんがこの曲を聴いて「危機感を持った」と言っているわけでして評価されてますからね。(笑)

こういう曲と出会うたび、心を揺さぶる音楽はまだまだあるなあと感慨深く思います。

 

リリース当時この曲を聴いた人やまだ聴いてないって人がこの記事を通して聴きたいなと思ってくれたらうれしいです。拙い文章ですが最後まで読んでいただきありがとうございました。これからも敬意をもって執筆していきます。それでは。

 

 

 

 

*1:1997年結成。「スリーアウトチェンジ」などの名盤を残すも2005年には解散してしまう。初期はシューゲイザーっぽさがあり、中期では電子音を導入するなどジャンルは多岐にわたる。

*2:95年結成のオルタナティブロックバンド。2002年に人気絶頂の中突如解散を発表。のちにBase Ball BearやASIAN KANG-FU GENERATIONなど多くのバンドに影響を与えた。2019年に再結成を果たした。

*3:というのもこの当時まだ私は生まれてません。

*4:ナンバーガールくるりなどと同時期に活躍したロックバンド。イギリスのバンドDr Feelgoodなどから影響を受けた。ギタリストのアベフトシのプレースタイルは、後に多くのギタリストに影響を与えた。

2021年 注目したいバンド特集① BREIMEN

 

1BREIMENとは? 経歴・メンバーについて

今年も早いもので1か月が過ぎようとしていますが、いかがお過ごしでしょうか。 音楽業界では様々な特集が組まれ、注目のアーティストが紹介されています。そこで今回から数回に分けて、私が2021年に注目しているバンドを紹介して、波に乗っていこうというわけです!(もう遅れをとっていますが…)

 

第1弾はBREIMENというバンドを取り上げます。皆さんはこのバンドをご存じでしょうか。

彼らは日本の5人組ファンクバンドです。

 

メンバー

高木祥太(ボーカル・ベース)

サトウカツシロ(ギター)

池田優太(キーボード)

林洋輔(サックス)

Kanno so (ドラムス)

 

ボーカルの高木祥太氏は2015年から2019年の間、エドガー・サリヴァンというバンドでベースを担当していました。

またChara、TENDREなどの人気アーティストのサポートメンバーも務めた経験があり、結構すごい人です。

 

このBREIMENというバンド、実は以前「無礼メン」という名前で活動していました。

しかし、前ボーカルのSEI氏の脱退を契機に作詞、作曲を担当していたベースの高木氏がボーカルを務めることになります。

そして2020年の2月5日には「BREIMEN」としての新体制でファーストアルバム「TITY」をリリースします。このアルバムについてはまた後日、全曲解説ができたらと考えています。お楽しみに。

 

では早速楽曲の紹介へ移りましょう。

 一押しの楽曲を紹介

「IWBYL」

 

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最新アルバムの「TITY」の一曲目がこの曲。「I Wanna e Your Lover (あなたの恋人になりたい)」の頭文字をとったタイトルです。恋の始まりについて歌った曲です。

冒頭、いかにもファンクっぽいギターを軸に曲が展開されます。

Aメロは「オーロラなガール…」という歌詞で転調がおこり、一瞬ポップな印象になりますが、ふたたび「tell me!」というコーラスとともにはじめのファンクなギターに戻っていきます。

 

続くサビでは、またもや転調が起こります。ここでも再びポップな曲調に変わります。

そこにジャズっぽいサックスが加わりよりキャッチーな印象になっていきます。

サビの歌詞も注目。

「I wanna be your lover」と「愛はなしつぶてで」きれいに韻を踏んでいます。

韻を踏みながらも、「愛はなしつぶて」で恋をした女性になかなか振り向いてもらえないもどかしさを同時に表現している点が素晴らしいなと思いました。

 

またサビ終わりに「tell me what to do…」という英語のフレーズを使うことで、再びファンキーなビートに戻りやすい自然な流れを生み出しています。

 

2番のAメロの歌詞も巧みです。「ソフトクリーム」と「恋によって溶けそうな心情」を重ねた歌詞、InstaとIKEAで韻を踏むとともに、ストーリーという言葉がinstaという言葉の縁語となっています。

ラストのサビでシンセが入り、曲の盛り上がりを演出しています。

 

 

 

「棒人間」

www.youtube.com

女性に恋をしてしまい、自分がまるで棒人間のようになっているさまを率直に描いた曲です。「君」に翻弄され、うずうずしながらもどこか楽しんでいるような「僕」の様子をキャッチーなメロディにのせて歌っています。

 

まず冒頭のトランペットがおしゃれです。

 ベースラインはアメリカのファンクミュージシャンであるカーティス・メイフィールドの名曲「tripping out 」を思わせる印象的なフレーズ。

ギターはハードロック系の歪んだ音とジャズっぽいマイルドな音が曲の適材適所で使い分けられています。

 

歌詞は韻を踏む気持ちよさを意識しながらも、歌詞の世界観が崩れないような無理のない構成になっています。曲中で「Favorite(フェイバリット)」を「ファボリテ」と歌っているところもちょっとおしゃれに感じます。サビはキャッチーで分かりやすいです。

ギターのロックなフレーズやイントロのワウ、サックスなど、楽器の使いどころが上手です。ボーカルの高木氏のアレンジのうまさが光る1曲です。

 

最後に

今回は今年注目のアーティストということでBREIMENを紹介しました。上で紹介した2曲以外にも、トラップを取り入れた挑戦的な楽曲など面白いことをやっているバンドです。バンドの魅力が少しでも伝わっていただけたら嬉しいなと思います。第2弾もお楽しみに!それでは。

 

引用:BREIMEN高木祥太の音楽論 https://mikiki.tokyo.jp/articles/-/24315

ビッグ・スターという不遇なバンド~ファーストアルバム「#1Record」について

 

 

このブログでは洋楽、邦楽問わず様々なアーティスト・楽曲紹介を行っています。

そして今回は記念すべき第1弾!

 ビートルズらの影響を受けたオルタナシーンの先駆けビッグ・スター

 

 

皆さんはビッグ・スターというバンドをご存じでしょうか。ビッグ・スターはアメリカ合衆国のメンフィス出身のロックバンドです。71年に結成し74年の末には解散するという短い活動期間ながらも、3枚の名盤を残し(活動期間中では2枚)、現代のバンドにも大きな影響をもたらしました。

 

サウンドビートルズローリングストーンズ、バーズなどの60年代の影響受けています。

そんな彼らは当時から現在に至るまで、様々な音楽雑誌から好評を得ています。たとえばローリングストーン誌は「後世にインスパイアを与えてはやまない独創性溢れる作品群」とかなりの好評を下しています。

しかし活動当時の彼らはプロモーションに恵まれず、事務所の不振などからセールスを思うように伸ばすことができませんでした。そして世間からの知名度を得れぬまま、ビッグ・スターは早々と解散してしまうわけです。

 

ところが80年代に入ってR.E.M.ティーンエイジファンクラブなど有名バンドがビッグ・スターからの影響を公言したことで、再評価の機運が高まります。CDの再版とバンドの再結成もあって、現在では一定の知名度を得るまでに至りました。

 

 続いてメンバーについてです。

メンバー紹介

初期メンバー

アレックス・チルトン (ギター、キーボード、ボーカル)

ビッグ・スターの大半の楽曲でメインボーカルを務めています。パワフルな高音を持ちながらも、しっとりとした曲も丁寧に歌い上げる印象です。

 

クリス・ベル     (ギター、ボーカル)

アレックス・チルトンとともに多くの楽曲を手掛けていますが、ファーストアルバムをリリース後には脱退してしまいます。鋭いリフとブルースっぽいギターを弾き、主張しすぎないが耳に残るフレーズを弾くなあと個人的に思います。

 

ジョディ・スティーブンス (ドラム)

曲の雰囲気に合わせて柔軟に対応したドラムを叩くという印象です。特にタム回しを曲中の最適な場所で効果的に取り入れていて、ビッグ・スターの楽曲を裏でサポートしています。

アンディ・ハメル   (ベース、ボーカル)

はっきりとした音で鳴らすというよりは、あくまでもグルーヴを維持するための曲に沿った音作りという感じです。割合は少ないものの何曲か彼が手掛けた楽曲がアルバムに収録されています。

 

 

「#1Record」のおすすめ曲

今回はビッグ・スターのアルバムの中で特に私が好きなファーストアルバム「#1Record」の魅力について解説していきます。このアルバムはローリングストーン誌の「500 Greatest Albums of All Time」(「歴代最高のアルバム」500選)にも選出されています。

rollingstonejapan.com

 

 

1、 「Feel」~ボーカルに絡み合うコーラスとの調和 

ベルとチルトンの楽曲。ギターのカッティングから始まり、アレックス・チルトンのハードロックのような甲高い声が印象的な1曲です。コーラスの混声からビートルズの影響を感じました。この楽曲に限りませんが、ギターやドラムの緩急のつけ方が上手いです。

 

 

2、 「The Ballad Of El Goodo」~まさに美メロ

こちらもベルとチルトンの楽曲です。「美メロ」とはこういう曲のことを言うのでしょう。冒頭はギターのメロディ、続いてボーカルが入り、ベース、ドラムと音数が増えていき盛り上がりを増していきます。またここでもバックのコーラスの美しさが先立ちます。展開をわずかに変えることで聴き手を飽きさせない工夫が凝らされています。アクセントの効いたジョディ・スティーブンスのドラミングにも注目です。

 

 

3、「In The Street」~飽きが来ない曲展開

 冒頭から繰り返される上がり調子のギターフレーズは、歌声のない部分の間をうめ、歌声と交互に曲の中心に登場します。サビに入るとアルペジオ*1に脳がくすぐられるような気持ちよさを覚えます。この後、曲は繰り返し転調し冒頭の印象的なフレーズに戻っていきます。曲の展開がやや複雑なので、何度も聴くうちに新しい発見が生まれるでしょう。

 

 

4、「Thirteen」~アコギの音色の美しさ

 

 この曲はサビがどこなのか明確にはわかりません。しかしAメロが終わった直後の美しいアコギの音色がもはやサビと呼べるでしょう。また2番からはコーラスが加わり曲も重層感を増していきます。非常に短い曲ですが聴きごたえがあります。

 

 

5、「The India Song」~管楽器とアコギのハーモニー

 最後に紹介するのが「The India Song」という曲。このアルバムで唯一、アンディ・ハメルが手掛けた楽曲です。私がこのアルバムで一番好きな曲でもあります。「シーシー シドレーラ シーシー シラソーラ」という管楽器の音色に「シャンシャンシャン」というスレイベルの音が裏で響き、とてものどかな情景が目に浮かびます。また管楽器とアコギの相性も抜群です。

 

以上で楽曲の解説は終わりです。本当はアルバムの全曲を紹介したいぐらいですが、あまりにも長くなってしまいそうだったので厳選して紹介させていただきました。

最後までご覧にいただきありがとうございます!この記事を気に入りましたらいいね、シェアをよろしくお願いします!それでは。

 

出典:Rolling Stone 「Big Star」 http://www.rollingstone.com/music/artists/big-star

   All Music 「Big Star Biography」Big Star | Biography, Albums, Streaming Links | AllMusic

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:和音を分解して一音ずつ弾くギター奏法

はじめに

はじめまして。グレイプバインスピッツが好きな筆者です。ユーザー名もグレイプバインの曲名から来てます。

このブログではCDや音楽書籍についてレビューしたり、音楽の未来について考えたりするブログです。具体的なビジョンは決まっていませんが洋楽、邦楽問わず少しマニアックな視点から記事を書いていけたらと思っています。なにとぞよろしくお願いします。