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ビッグ・スターという不遇なバンド~ファーストアルバム「#1Record」について

 

 

このブログでは洋楽、邦楽問わず様々なアーティスト・楽曲紹介を行っています。

そして今回は記念すべき第1弾!

 ビートルズらの影響を受けたオルタナシーンの先駆けビッグ・スター

 

 

皆さんはビッグ・スターというバンドをご存じでしょうか。ビッグ・スターはアメリカ合衆国のメンフィス出身のロックバンドです。71年に結成し74年の末には解散するという短い活動期間ながらも、3枚の名盤を残し(活動期間中では2枚)、現代のバンドにも大きな影響をもたらしました。

 

サウンドビートルズローリングストーンズ、バーズなどの60年代の影響受けています。

そんな彼らは当時から現在に至るまで、様々な音楽雑誌から好評を得ています。たとえばローリングストーン誌は「後世にインスパイアを与えてはやまない独創性溢れる作品群」とかなりの好評を下しています。

しかし活動当時の彼らはプロモーションに恵まれず、事務所の不振などからセールスを思うように伸ばすことができませんでした。そして世間からの知名度を得れぬまま、ビッグ・スターは早々と解散してしまうわけです。

 

ところが80年代に入ってR.E.M.ティーンエイジファンクラブなど有名バンドがビッグ・スターからの影響を公言したことで、再評価の機運が高まります。CDの再版とバンドの再結成もあって、現在では一定の知名度を得るまでに至りました。

 

 続いてメンバーについてです。

メンバー紹介

初期メンバー

アレックス・チルトン (ギター、キーボード、ボーカル)

ビッグ・スターの大半の楽曲でメインボーカルを務めています。パワフルな高音を持ちながらも、しっとりとした曲も丁寧に歌い上げる印象です。

 

クリス・ベル     (ギター、ボーカル)

アレックス・チルトンとともに多くの楽曲を手掛けていますが、ファーストアルバムをリリース後には脱退してしまいます。鋭いリフとブルースっぽいギターを弾き、主張しすぎないが耳に残るフレーズを弾くなあと個人的に思います。

 

ジョディ・スティーブンス (ドラム)

曲の雰囲気に合わせて柔軟に対応したドラムを叩くという印象です。特にタム回しを曲中の最適な場所で効果的に取り入れていて、ビッグ・スターの楽曲を裏でサポートしています。

アンディ・ハメル   (ベース、ボーカル)

はっきりとした音で鳴らすというよりは、あくまでもグルーヴを維持するための曲に沿った音作りという感じです。割合は少ないものの何曲か彼が手掛けた楽曲がアルバムに収録されています。

 

 

「#1Record」のおすすめ曲

今回はビッグ・スターのアルバムの中で特に私が好きなファーストアルバム「#1Record」の魅力について解説していきます。このアルバムはローリングストーン誌の「500 Greatest Albums of All Time」(「歴代最高のアルバム」500選)にも選出されています。

rollingstonejapan.com

 

 

1、 「Feel」~ボーカルに絡み合うコーラスとの調和 

ベルとチルトンの楽曲。ギターのカッティングから始まり、アレックス・チルトンのハードロックのような甲高い声が印象的な1曲です。コーラスの混声からビートルズの影響を感じました。この楽曲に限りませんが、ギターやドラムの緩急のつけ方が上手いです。

 

 

2、 「The Ballad Of El Goodo」~まさに美メロ

こちらもベルとチルトンの楽曲です。「美メロ」とはこういう曲のことを言うのでしょう。冒頭はギターのメロディ、続いてボーカルが入り、ベース、ドラムと音数が増えていき盛り上がりを増していきます。またここでもバックのコーラスの美しさが先立ちます。展開をわずかに変えることで聴き手を飽きさせない工夫が凝らされています。アクセントの効いたジョディ・スティーブンスのドラミングにも注目です。

 

 

3、「In The Street」~飽きが来ない曲展開

 冒頭から繰り返される上がり調子のギターフレーズは、歌声のない部分の間をうめ、歌声と交互に曲の中心に登場します。サビに入るとアルペジオ*1に脳がくすぐられるような気持ちよさを覚えます。この後、曲は繰り返し転調し冒頭の印象的なフレーズに戻っていきます。曲の展開がやや複雑なので、何度も聴くうちに新しい発見が生まれるでしょう。

 

 

4、「Thirteen」~アコギの音色の美しさ

 

 この曲はサビがどこなのか明確にはわかりません。しかしAメロが終わった直後の美しいアコギの音色がもはやサビと呼べるでしょう。また2番からはコーラスが加わり曲も重層感を増していきます。非常に短い曲ですが聴きごたえがあります。

 

 

5、「The India Song」~管楽器とアコギのハーモニー

 最後に紹介するのが「The India Song」という曲。このアルバムで唯一、アンディ・ハメルが手掛けた楽曲です。私がこのアルバムで一番好きな曲でもあります。「シーシー シドレーラ シーシー シラソーラ」という管楽器の音色に「シャンシャンシャン」というスレイベルの音が裏で響き、とてものどかな情景が目に浮かびます。また管楽器とアコギの相性も抜群です。

 

以上で楽曲の解説は終わりです。本当はアルバムの全曲を紹介したいぐらいですが、あまりにも長くなってしまいそうだったので厳選して紹介させていただきました。

最後までご覧にいただきありがとうございます!この記事を気に入りましたらいいね、シェアをよろしくお願いします!それでは。

 

出典:Rolling Stone 「Big Star」 http://www.rollingstone.com/music/artists/big-star

   All Music 「Big Star Biography」Big Star | Biography, Albums, Streaming Links | AllMusic

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:和音を分解して一音ずつ弾くギター奏法